フィンランドの蚤の市について語る
フィンランドで中古品を売買するようになって思ったこと。フィンランド人は基本的に人を信用しているようだ。 根拠その一。人に名前や電話番号、住所を教えることに抵抗が少ない。 フィンランドでは個人間の中古品売買が盛んだ。その際ToriというフリマサイトやFacebookのプラットフォームを使うことが多い。売りたいものを写真に撮って値段や特徴とともにサイトにアップロードする。購入者はプラットフォーム上でメッセージを送る。 日本でも似たようなウェブサイトは存在する。しかし決定的に異なるのが、発送と決済の方法だ。 日本で最も大きいセカンドハンド売買のプラットフォーム『メルカリ』では、ユーザーは郵便サービスによる発送、特に匿名配送を使うことが圧倒的に多い。暗号化された登録情報を使い、お互いの住所と名前を直接知らせることなく発送、購入することができる。 住所を知らせる場合でも、郵便サービスを使うことが暗黙の了解だ。例え発送先が同じ町内だとしても(そんなことは滅多にないだろうが)、商品は郵便で送られる。間違っても商品を持って行ったり取りに来てもらうということはない。 フィンランドでセカンドハンド売買をする際はこうである。 まず商品を検索する。良い商品が自分の居住エリアで見つかればこうだ。 「こんにちは!まだ販売中ですか?」 「はい、販売中です。取りに来ますか?住所は○○通り△番地です」 「今日の18時に伺います!モバイルペイ(お互いの電話番号を使って送金できるサービス)は使えますか?」 「使えますよ。では18時に!」 商品が郵送が必要な場合はこうなる。 「こんにちは!まだ販売中ですか?郵送は可能ですか?」 「可能ですよ。どちらに送ればいいですか?」 「○○通り△番地の××××宛です。モバイルペイは使えますか?」 「使えますよ。番号は0401234567です」 「支払いました!」 「確認しました、明日発送します」 これを日本の家族や友達に話すと大層驚かれる。大抵彼らの第一声は「怖くないの?」だ。住所、名前、電話番号などの情報を一回のやり取りのために他者に渡すことに対する抵抗感だ。実は私もいまだに少し怖い。例えば取引相手が自分の名前をGoogleで検索したら?もしくは渡した番号に電話やメッセージが来たら?もし仮に、取引相手に悪意があったら…? そんな想像をしてしまうのであればこのプラット...